【本当に効果的?】大会直前の「休みなし」で勝てるのかを考える

野球ケガ

はじめに

「大事な大会まであと1ヶ月。ここからは試合まで休みなし!」

多くのチームや指導者が、そんな風にスケジュールを組むことがあると思います。

野球をはじめ、さまざまな部活動で、大事な大会前は「休みなしで本番まで臨む」というケースが見られます。

しかし、私はこの「休みなし・追い込み重視」の調整法に対して疑問を感じています。

果たして、それは本当に選手のパフォーマンスを高め、勝利につながるのでしょうか?

一番の目的は「ほんばんで100%の実力を出すこと」のはず

どのチームも、どの選手も目指すのは、

大会で実力を最大限に発揮して勝利や優勝をつかむことのはずです。

ところが「休まずに練習すること」が目的化してしまい、「本番で100%出すための調整」という本来の目的が見失われていることが少なくありません。

無意識の追い込みがケガの原因に

大会が近づくと、選手も指導者も「やらなきゃ」という気持ちになりやすく、

  • 練習内容がハードになる
  • オフがなくなる
  • 練習試合が詰め込まれる

といった状況が自然に生まれがちです。

このような状態では、

  • 体の疲労が回復しない
  • 心も張りつめたままでリフレッシュできない
  • ケガにつながる可能性

という問題が起こりやすくなります。

実力があっても「疲れた状態」では力は出せない

どれだけ技術がある選手やチーム全体のレベルが高くても、

もし心や体の状態が50〜60%にまで落ちていたら、試合で実力を出すのは難しいでしょう。

疲労した状態で挑む大会は、むしろ“本来の実力を出し切れないまま終わる”リスクの方が大きくなります。

大会の直前に成長を狙うのは非効率

さらに言えば、大会の約1週間~約1ヶ月前のハードトレーニングで、体力や技術が劇的に向上する可能性は高くありません。

もちろんゼロではありませんが、数ヶ月単位で計画的に積み上げた方が、成長につながると思います。

つまり、大事な大会の直前というタイミングでは、追い込み過ぎることよりも心と体の状態を100%、もしくはなるだけ100%に近づけることの方が重要です。

最低でも週に一度は「完全休養日を」

この時期にこそ、私は 最低でも週に一度の休みを取ることが重要だと考えています。

休みを設けることにより体の疲労回復だけでなく、精神的な心のリフレッシュになり練習での集中力UPや試合に臨むためのいい精神状態にも繋がると思います。

どうしても休みを作りたくないのであれば、せめて体のリカバリーの目的でストレッチや体操、感覚系やバランス系の負荷の少ないトレーニングを短時間する日を週に1日は作ってほしいと感じています。

おわりに

大会前の休みなし・追い込み重視の練習は、長年続いてきた“常識”のように思えるかもしれません。

でも、そのやり方で

「試合になかなか勝てない」

「優勝から遠ざかっている」

「試合での選手のパフォーマンスが悪い」

と悩まれている指導者の方はもしかしたら「選手の力を100%出すこと」ということに視点を向けてみてはいかかでしょうか。

もしも試合で勝てていたとしても、選手のケガを予防する意味でも休ませる日を作るか短時間の体のリカバリーのメニューだけの日を作ってほしいです。

実際に施術の現場でも、体の負担や疲労のが原因で大会直前にケガをする選手を多く見てきました。

直前にケガをすると大会までにベストの状態にするのはかなり厳しくなります。

「大会での勝利、優勝を目指す」なら、試合に当日に体と心を100%の状態に近づけていく。

そのための“休み”や“調整”を、今一度考えて取り入れてほしいと、僕は思います。

【筆者プロフィール】

ナイスバッチ

プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。

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