「あなたの“その一言”“その対応”が、選手の将来を左右するかもしれません。」
スポーツ現場では、練習や試合中に選手がケガをすることがあります。
そんなとき、指導者の初動対応が、選手のケガの状態や選手の将来を大きく左右することを忘れてはいけません。
僕自身も現場で自分のチームを含め多くのチームを見てきましたが、
中には明らかにまずい対応をしている指導者もいました。
たとえば、
- 選手が苦しんで倒れているのに「立て!」と言って立たせる
- ボールが当たって鼻血が止まらないのに「立て!」と怒鳴る
- 状態を確認せずに選手に「動け」と言う
こうした対応は、リスクがあります。
■ 初動対応の基本は「立たせること」ではなく「状態を確認すること」
ケガをした選手を前にして、最初にやるべきことは「立たせる」ことではありません。
まずは観察と声かけが何より大切です。
指導者が最初に確認すべきポイントは次の通りです。
- 「大丈夫か?」と優しく声をかける
- 意識があるかどうかを確認する
- 顔色、目の動き、表情などを観察する
- 動かすことで悪化するおそれがないかを判断するなど
これらを冷静に行うことが、選手を守る最初の一歩です。
そして、指導者が落ち着いてこういた対応する姿勢は、チーム全体の信頼にもつながります。
■ 間違った初動対応が招くリスク
スポーツ現場では、「少しのケガなら我慢」「立て!」「気持ちだ!」といった声がまだ残っています。
しかし、こうした対応は時代遅れであり、リスクがあります。
無理に立たせたり動かしたりすることで、状態が悪化する可能性があります。
状態によっては、動かさずに安静にして救急車を呼ぶことが必要な場合もあると思います。
■ 初動対応は「選手を守る」だけでなく「指導者を守る」
チームによっては、「練習や試合中のケガは指導者への責任は問わない」といった規約があるかもしれません。僕のチームには書いてありました。
しかし、指導者が適切な初動対応を怠った場合、選手がケガしたことに対しては責任は問われなくても、初動対応に対しては適切だったのかを問われることはあると思います。
つまり、初動対応には2つの意味があります。
- 選手を守るため
- 指導者自身を守るため
この両方の観点から、初動対応を正しく行うことは欠かせません。
■ 指導者が意識すべき初動対応の鉄則
- 状態を確認せずに「立て」と言わない
- 動かす前に「観察」「声かけ」
- 無理をさせない。休ませる。
- 技術指導だけでなく「安全管理」も指導者の役割と心得る
こうした意識が必要だと思います。
それにより選手・保護者・指導者の信頼関係もより厚くなります。
■ まとめ:選手を守るのも、指導者の大切な役割
指導者の仕事は、選手を上手にすることだけではありません。
選手の体と未来を守ることも、指導者の大切な役割です。
「大丈夫か?」の一言、
そして冷静な初動対応が、
選手を守り、指導者自身の信頼を守ります。
スポーツの現場で、指導者一人ひとりがこの意識を持つことが、
安全で安心なチームづくりへの第一歩になると僕は声を大にして伝えたいです。
【筆者プロフィール】
ナイスバッチ
プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。


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