この記事では、“ピッチャーのアイシング”が本当に必要なのか?というテーマについて、僕の経験と考えをまとめました。
野球のピッチャーが登板後に肩や肘をアイシングする――
これは昔から「当たり前」とされてきた習慣です。
でも僕は、それが**今の時代のピッチャーにとって本当に必要か?**と疑問に思っています。
実は僕自身、昔はピッチャーとしてもプレーしたことがあります。
その当時は、正直アイシングの意味なんて分かっていませんでした。
ただ、
「投げ終わったピッチャーがアイシングしてるのってかっこいいな」
「プロの選手や甲子園でもやってるし、やっぱり必要なんだろうな」
――そう思って、憧れの気持ちだけでアイシングをしていました。
ですが、今になって自分でいろいろと調べたり、勉強していく中で、
「本当にそれは必要だったのか?」「効果的な方法だったのか?」と考えるようになりました。
そして僕の息子も野球をしていました。
息子がピッチャーとして登板した後、息子が「Aくんはアイシングしているけど僕はアイシングしないの?」と聞いてきました。
そこで私は「投げ終わったら冷やさなくていいよ。体操やストレッチをした方が回復にいいよ。」と伝えました。
息子も周りのチームメイトがアイシングをしているのを見てピッチング後はアイシングをするものだと思っていたみたいです。
そんな背景から、僕なりに「ピッチング後のケア」についてまとめてみました。
1. 今は昔より投げる球数が少ない
かつては一人ピッチャーで1試合で150〜200球近く投げることもありました。連投する時も多かったと思います。
そのため、肩や肘へのダメージが大きく、アイシングでケガ予防や回復などに繋がると考えられていたと思います。
でも今は、
- 小学・中学の野球は球数制限がある
- 高校野球は複数投手で継投するチームがふえた
- 高校野球でも一応球数制限がある
など、昔ほど身体への負担は大きくない環境になっています。
それなのに、「ピッチャーは投げたらとりあえずアイシング」という考えが
未だに習慣のように残っているのは、少し違和感があります。
2. 冷やすことで回復が遅れる可能性もある
アイシングには炎症や痛みを抑える働きがあります。
ただし同時に、血流を悪くしてしまうというデメリットもあります。
このような影響により、筋肉の回復や修復がかえって遅れてしまう場合もあると僕は考えています。
3. 投げた後はストレッチや体操を
僕が推奨したいのは、アイシングの代わりにストレッチや体操をすることです。
投げた後に試合が終わってから
- 体操をして体全体や肩・肘・肩甲骨まわりを動かしてほぐす
- ストレッチをして体全体や肩・肘・肩甲骨まわりの筋肉をゆるめる
このような“動かしたり伸ばしたりケアする”方法の方が、血流を促進し、筋肉や関節の状態を良くして回復に繋げたり疲労を取りやすくすると考えています。
4. お風呂で体を温めて回復を早める
自宅に帰ってからの入浴も、非常に大事な回復手段です。
- 湯船にゆっくり浸かる
- 全身の血行を良くする
- 湯船につからないならシャワーで体を温める
筋肉の修復・疲労回復のスピードに影響があると思います。
僕自身もこのルーティンを取り入れてから、次の日の肩や肘の調子が良くなる実感があります。
5. アイシングが“必要なケース”もある
もちろん、すべてのアイシングを否定しているわけではありません。
肩や肘に熱感があってどうしても気になる時は、一時的に冷やすことが効果的だと考えています。
そして最も大切なのは、
【捻挫や打撲などの「ケガ」のときは別】
- ケガをした直後(初期)は、痛みや腫れを抑えるために応急処置として一時的にアイシングが必要です。
つまり、「投球で疲れたから冷やす」と「ケガした直後で炎症があるから冷やす」はまったく意味が違うということです。
ピッチングは基本的にはケガではありません。
なので、毎回ルーティンのようにアイシングする必要はないというのが僕の考えです。
6. 経済的負担が大きい今だからこそ、道具にかかるお金の使い方も見直してみよう
アイシング用のサポーターや氷嚢や保冷剤も、購入すればそれなりにお金がかかります。
でも野球というスポーツは、
- グローブ
- スパイク
- バット
- ユニフォーム
- 練習道具
など、すでにたくさんお金がかかるスポーツです。
だからこそ、効果があまり実感できない道具にお金を使うより、
本当に必要なものに使った方が効率的ですし価値があると思います。
物価高騰に加え野球は経済的負担が大きいと僕は身をもって感じたので不要なものは削って必要なものにお金をかけることは必要に思います。経済的理由で野球が続けられないということにならないようこういった意識は必要と考えます。
この記事のまとめ
- 昔ほど球数を投げない今、毎回のアイシングは必須ではない
- 毎回アイシングを習慣にするのではなく、自分の体の状態を見て判断する
- 投球後は基本は「温める・動かす・伸ばす」が回復につながる
- ケガ直後に熱感や痛みがあるときは、一時的に冷やす
- 経済的負担の軽減も含め、必要な道具選びが大切
- 「みんながやってること=正解」とは限らない
最後に
僕も昔は「みんなやってるから」「なんとなく必要なんだろうな」と思って、
意味もわからずアイシングをしていました。
でも今は、鍼灸整骨院の施術者としての考え・知識を持ちながら自身の野球経験と保護者として息子の野球に接していく中で、
「その常識って本当に必要?」と考えるようになりました。
このブログが、誰かにとって「当たり前を見直すきっかけ」になれば嬉しいです。
【筆者プロフィール】
ナイスバッチ
プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。
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