僕がプレイヤーだった頃も、そして今、息子がソフトボールをしているのを見ていても、いまだによく耳にする言葉があります。
「上から叩け!」
「フライを打つな!」
「バットは上から出せ!」
ソフトボールや少年野球の現場では昔から変わらない“指導の定番”かもしれません。俗によく言う大根斬りのようにバットを上から振り下ろすように教える指導者をよく見ます。僕はいつも思います。
本当にそれで、子どもたちは
「野球が楽しいのかな?」
「上手くなるのかな?」
◆ 小学生に「上から叩け」はどうなのか?
小学生のうちは、まだ体も小さく、パワーもありません。そんな中で「上からボールを叩け」と教えると、多くの子どもたちはボールを強く飛ばすどころか、ゴロばかり打ってつまらなさを感じてしまうと思います。
◆ 子どもは「飛ばす楽しさ」で成長する
子どもたちは、強く打って遠くに飛ばせた時に嬉しそうな顔をしていました。
僕自身もそうでしたし、僕の息子や他の子どもたちも同じでした。だからこそ、最初からフォームやスイング軌道を厳密に型にはめるよりも、
「強く、遠くに飛ばす」
「ヒットが打てて楽しい」
「ホームランが打てた!」
そういう成功体験をどんどん積ませてあげる方が、本人の「野球って面白い!」という気持ちにつながると思います。それと同時にプレーの上達にもつながります。
◆ 正しいフォームよりも「まず楽しさを」
もちろん、技術を教えることは大切です。大根切りのような上から叩き下ろすようなフォームを強制させずに、ものすごく変な癖のあるフォームではなければオッケーだと思ってます。それにプラスして強いスイングができていることが必要と思います。
「強い打球がうてる」
「遠くに飛ばせる」
「ヒットやホームランが打てる」
それが自然と自信につながり、選手が意欲的に練習に臨むようになったり、野球を続けようという気持ちになったり、中学・高校とステージが上がった際の活躍に繋がると思います。
◆施術者として子供の体を見てきた経験から
もちろん、技術を教えることは大切です。
特にピッチングフォームやスローイングフォーム(投げる動作)は、フォームに無理があると特に肩や肘に負担がかかりやすくケガのリスクが高まります。柔道整復師・鍼灸師としても、そういった動作の見直しは非常に重要だと感じています。
一方で、バッティングフォームは、投球に比べると関節への負担が比較的少ないため、「フォームに多少の個性があっても大きな問題にはなりにくい」と言えます。
だからこそ、最初は**「強くスイングできるか」「自信を持って振れるか」**ということを重視しても良いのではないかと、僕は考えています。
極端に無理な動作やケガにつながるような癖がなければ、細かいフォーム矯正よりも「飛ばす楽しさ」を感じてもらうことが、長期的に見てもプラスになると思います。
◆ まとめ
小学生や中学生、特に小さい頃は「強いスイングができる」「飛ばす楽しさ」を最優先にしてほしいと僕は思います。
打球が飛んで「やったー!」と喜ぶその笑顔の中に、将来の上達の芽があります。
だから僕はこう言いたいんです。
「型にはめすぎず、まずは楽しく打たせてあげてほしい」
その最初の一歩を、大人がつぶしてしまわないようにしたいですね。
【筆者プロフィール】
ナイスバッチ
プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。
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