小学生と中学生、中学生と高校生。異なるステージでの練習や試合に潜むリスクとは?

最近、小学生が中学生と一緒に練習していたり、中学生が高校生と試合をしている、という話をよく耳にします。

一見すると「上のレベルとやれば成長する」「経験値が上がる」というように思えますが、本当にそうでしょうか?

私は施術者として子どもの体を見てきた経験、そして親として子どもの成長を見守ってきた経験から、こうした練習や試合の組み方には大きなリスクがあると感じています。

■ ステージが違えば、すべてが違う

学校のステージが違うということは、成長の段階が違います。

小学生と中学生、中学生と高校生では、体格・筋力・スピード・技術レベル・理解力のすべてが異なります。

そんな中で一緒に練習や試合をすると、必ず起きるのが「下のステージの子のケガ」です。

実際、私の子供はコンタクトスポーツですが小学生のときに中学生と合同練習をして膝を痛めてしまい、回復に時間がかかりました。

また、ある中学校の別のコンタクトスポーツでは、高校生との練習試合で中学生がケガをした、骨折したという事例をよく聞きます。

■ 上のステージの子にもメリットはない

さらに言うと、上のステージの子にとってもメリットはありません。

なぜなら、体力的にも技術的にも劣っている相手と練習しても、練習にならないからです。

技術向上のためには、適度な競り合いやレベルの釣り合った相手が必要です。

つまり、こうした上下ステージでの練習や試合は、双方にとってデメリットしかないのです。

■ 「強くなる」はずが逆に遠回りに

下のステージの子の指導者の中には、

「上の子たちとやらせた方が鍛えられる」

「少し無理させた方が上手くなる」

と考える人もいるかもしれません。

もちろん、すべての指導者が無理をさせているわけではありませんが、 その方針が結果的にケガを招くケースもあるのです。

それでケガをしてしまえば練習自体ができなくなります。

ケガからの回復には時間がかかりマイナスの状態になります。そこからゼロのケガが良くなった状態に戻るまでにリハビリや調整が必要です。

さらに、ゼロに戻ったとしても、すぐに元のパフォーマンスには戻れません。日に日に段階を追って徐々に練習量や練習強度を上げていく必要があるので更に時間が掛かります。

結局は、大きな時間のロスになります。

■ レベルアップには「練習の工夫」で対応を

子どもたちを上手くしたいのであれば、違うステージの相手と無理に合わせるのではなく、同じステージの中で練習の強度を上げる工夫をした方がよほど効果的です。

練習メニューを見直して負荷の高い練習を増やすように調整することで、ケガのリスクを抑えながら成長を促すことができると思います。

■ まとめ:ステージごとの「身の丈に合った練習」が最も大切

・成長段階が異なる子どもたちの合同練習・試合は、ケガのリスクが高い

・上のステージの子にとっても得られるものは少ない

・一度ケガをすると、回復・再調整に長い時間がかかる

・強くなりたいなら、練習の中身や工夫を見直す方が安全で効果的

異なるステージ(小学生・中学生・高校生)の子どもたちが、同じフィールドで競り合うことはリスクがあります。

技術や経験も大事ですが、何よりも「今の成長段階に合った練習・試合」が最も重要です。

ぜひ、保護者や指導者の皆さんにも、この視点を意識してほしいと思います。

【筆者プロフィール】

ナイスバッチ

プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。

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