〜安全面からヘッドスライディングについて考える〜
野球やソフトボールの試合で、ヘッドスライディングを見ると「気持ちが入ってるな」「ガッツがあるな」と感じる方も多いかもしれません。
しかし私は、ヘッドスライディングに反対の意見です。
理由は、ケガのリスクが非常に高いからです。
ヘッドスライディングで起こりうるケガ
実際にヘッドスライディングで起きやすいケガはこういったことが挙げられます。
- 地面との接触ですり傷や打撲
- ベースに手をついたときの指や肘、肩などの骨折や脱臼
- 着地の衝撃による体のケガ
- 守備側からスパイクで踏まれる危険性など
僕自身、実際に目の前で遭遇したことはありませんが長年テレビで野球中継を見ていると度々ヘッドスライディングをしてケガをするシーンを目にすることがありました。
特に鮮明に覚えているのはメジャーリーグの試合を見ていて打ったバッターが二塁へヘッドスライディングした際に指がグニャリと不自然な方向に曲がったシーンにはぞっとしました。
これらのケガは、選手生命に関わるような長期離脱に繋がることもあり、
本人にもチームにも大きなマイナスになります。
「ヘッドスライディングの方が早い」は本当?
一部には「ヘッドスライディングの方がタイムが早い」と言う人もいます。
しかし実際には、1塁に走り抜けた方が早いという意見も多く、差はごくわずかです。もちろん、そのごくわずかの差で勝敗が決まる場合があるのでそのわずかな差はすごく大事です。
ですが、ほんのわずかな差のために、重大なリスクを背負っているのも事実です。
賛否はありますが、僕の感覚ですが走り抜けた方が早いように思います。
ヘッドスライディングを「気持ちが入ってるように見える」からやってる選手もいますが、
それでケガして離脱したら元も子もありません。
僕は息子にはこう伝えていました
私は、息子が野球やソフトボールをしていた時、
ケガの予防のために「1塁へはヘッドスライディングをしないようにしよう」と伝えていました。
1塁はそのまま駆け抜ける
滑る必要がある場面では足からスライディングする
大けがをして痛い思いをするからと理由を伝える
こういったことを伝えていました。
チームとしてのルールにしてもいいのでは?
もしもチームで「ヘッドスライディングを推奨」している場合は、
一度その必要性とリスクを真剣に見直してみるべきだと僕は思います。
僕の考えとしては、チーム全体の方針として“ヘッドスライディング禁止”をルール化することを推奨します。
選手を守るのは、指導者やチームの責任でもあります。
大事な選手が一つのプレーでケガをして長く離脱してしまうのは、
本人にもチームにも大きなマイナスです。
もしも、利き腕の肩や肘を骨折や脱臼をしてしまうと選手生命にもかかわる場合もあります。
小学校、中学校、高校と野球を続けて行くには大けがになるリスクはなるべく減らした方がいいと思います。
まとめ
ヘッドスライディングは気持ちが入っているように見えますし、かっこよく見えるかもしれません。
でも、それでケガをして長くプレーできなくなったらチームだけでなく選手本人が一番つらい思いをします。
今一度、指導者の方々には、こういったリスクを頭に入れて安全面を考慮してほしいと願っています。
【筆者プロフィール】
ナイスバッチ
プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。
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