高校野球で導入された「低反発バット」によって、試合のスタイルは大きく変化しました。かつてのように長打やホームランがたくさん出る場面は減り、バントやエンドラン、スクイズといった小技がより重要になっています。
その中で、僕が今注目しているのが「走力(足の速さ)」です。今回は、なぜ今の時代に走力が求められるのか、小学生からできる走力トレーニングの考え方までを解説します。
■ 低反発バットがもたらした「飛ばない時代」
低反発バットの導入により、明らかに打球の飛距離は落ちています。
これまでなら外野の頭を超えていたような打球も、今は外野フライ止まりになってしまう──。
そんな中、バントやエンドランといった戦術が増え、攻撃でも守備でも“足の速さ”が活躍の鍵を握るようになってきました。
■ 攻撃面:走力がもたらすメリット
- 盗塁:成功率を上げるのに、もともとの足のスピードは大きな武器。
- エンドラン:足が速ければ1つでも多く先の塁に進むことが可能。
- スクイズ:3塁ランナーが速ければ1点になる可能性が高まる。
- 内野ゴロでも:打球が飛ばない今、足が速いだけで内野安打になる確率が上がる。など
■ 守備面:スピードは守備力にも直結
- 外野守備:前進守備時、頭を越されてもまずはスピードで追いつけるかが勝負。守備範囲が広くなる。
- 内野守備:もともと足が速いと守備範囲も広くなりやすい。
長打が減り、点が入りにくくなり1点を争う展開が多くなることにより、走塁と守備で試合に貢献できる選手が、今後ますます重宝されていきます。
■ 高校野球で生き残るためには?カギは「小学生時代」
高校に入って急に足が速くなる選手は少ないです。だからこそ、小学生のうちから“走力”に目を向けてほしいと思います。
■ 小学生におすすめのトレーニング方針
- 野球は瞬発力の競技
野球は一瞬で爆発的な動きをする競技。持久力よりも“瞬発力”が重要です。 - 持久力も必要、でも“割合”が大切
小学生のうちはバランスよく鍛えることが大切ですが、瞬発系(距離を変えた短いダッシュ、ジャンプ系のトレーニング、ラダーなど)をやや多めに取り入れるよう意識するのがおすすめです。
まとめ
低反発バットの導入により、走力の価値はこれまで以上に高まりました。
一発長打で勝負する時代から、小技とスピードでかき回す時代へ。
今後は、打撃だけでなく「どれだけ速く走れるか」がレギュラーをつかむ鍵の一つになります。
そしてその準備は、もうすでに小学生のうちから始まっています。
今のうちから「速く走る力」に注目してトレーニングすることにより、小・中学での活躍や特に高校生になってからのレギュラー争いや活躍に大きく関わってくるすごく大事な要素の一つと言えると思います。
【筆者プロフィール】
ナイスバッチ
プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。
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