子どものスイングを速くしたいからといって、重いバットを振らせていませんか?実はそこに大きな落とし穴があります。
今回は小中学生野球のバッティング練習でよくある「重いバットを振ることのメリットとリスク」について、息子の実体験をもとに解説します。
小・中学生野球で重いバットは効果的?
息子が中学生になって硬式野球に参加して間もない時の話です。
チームの練習では、試合用よりもかなり重いバットが使用されていました。
重さにして1000数百グラムくらいの重さだと思います。
その重さは野球経験者ならわかると思いますがかなり重いです。
試合で使う重さのバットは本数が少なく取り合いになっていて息子は練習では重いバットでたくさんスイングをしていたそうです。
ある時、息子が練習から帰ってきて自宅前で素振りしているのを見ました。息子は自宅で1000グラム程度のバットを振っていたのですが、中学野球になってからスイングが明らかに速くなっていました。
今までは、1000グラムのバットでも重そうにしていたのでそれを軽々と振り回していたのでビックリしました。
成長したなと思ったと同時に腰への負担は大丈夫なのかとも思いました。
一見すると「重いバットを振ればスイングが速くなる」と思えますが、ここには注意点があります。
重いバットによる腰の怪我リスク
数日後、息子は腰の痛みを訴えました。数か月間は腰の調子が悪かったです。
重いバットをたくさん振ると、一時的にスイングは速くなるかもしれませんが、腰や体に大きな負担がかかり、怪我のリスクが高まります。
小中学生は成長期のため、重いバットを使いすぎると腰や関節への負担が特に大きいです。怪我で練習や試合を休む期間が長引くのは大きなマイナスになってしまいます。
特に中学生の場合はプレーする期間が「約2年半」しかありません。
なるだけケガをせずに貴重な試合経験や練習時間を有効に使えるように指導者の方には考慮してもらいたいです。
腰を痛めずにスイングを速くする方法
スイングスピードを上げたい場合は、重いバットだけに頼らず、次の方法を組み合わせることが効果的です。
バットを使った練習の工夫
- 重いバットは1回の練習で合間合間の打撃練習で3〜10本程度ずつに制限
- 試合用バットに近い重さのバットをメインの打撃練習にする
- 軽いバットや短めのバット、長めのバットなどもスイングしバッティング感覚を養う
瞬発力を鍛えるトレーニング
- 短いダッシュや腕立て、素振り、懸垂などの瞬発系トレーニング
- 幅跳びやジャンプ系で下半身のパワー強化
- ストレッチなど体の柔軟性を高めることにより可動域が広がりスイングスピードにつながる
このようにスイング練習と瞬発力トレーニングを組み合わせることで、スイングスピードと打球速度を向上させることができると思います。
まとめ:小中学生野球で安全にスイングを速くするポイント
- 重いバットだけでスイングを速くするのは一時的で腰などのケガのリスクが高い
- 重いバットの本数をある程度制限し、試合用バットや瞬発系トレーニングと組み合わせる
- 怪我なく効率的にスイングを上げることが、成長期の野球選手には最も重要
成長期の子どもに限らず野球は“継続してプレーできる体づくり”こそ最大の武器になると思います。
【筆者プロフィール】
ナイスバッチ
プレーヤー・保護者・指導経験を活かし、柔道整復師・鍼灸師の視点から野球の疑問や改善点を発信。未来の野球を考えるナイスバッチです。
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